カルロス・ゴーンの右腕を10年以上務めた、志賀 俊之さんから学ぶマネジメント、リーダーシップとは?

カルロス・ゴーンの右腕を10年以上務めた、志賀 俊之さんから学ぶマネジメント、リーダーシップとは??
先日、オーストラリア、ゴールドコーストにて開催された、グローバルベンチャーフォーラム2019に参加しました。
ほぼ丸2日、いろんなセッションに出て、インプットしてきたのですが、中でも一番自分の中に落ちた志賀 俊之さんから学んだマネジメント、リーダーシップをまとめます。
ものすごく、品の高い、物腰やわらかそうな雰囲気で且つ、難しそうな雰囲気を一切出さずにお話される姿に、勝手ながらすっかりファンになってしまいました。
本を出されているなら、是非、拝読したい!と思ったのですが、お一人で本は出されていないみたいですね。今までは日産の役員だったから出版等はNGだったのですかね。

志賀 俊之さんってどんな方?

主な経歴は、後に載せますが、日産での功績をまとめた記事の方が、なんとなくお人柄が伝わると思います。古い記事ですが、どうぞ!
▼参考記事:日産危機 左遷された男は「ゴーン」に惚れ、番頭を志願した
https://www.sankei.com/premium/news/141124/prm1411240016-n1.html

 

志賀 俊之さん
株式会社INCJ
代表取締役会長/CEO

▼主な経歴
1976年4月 日産自動車株式会社入社
1991年10月 同社 アジア大洋州事業本部アジア大洋州営業部ジャカルタ事務所長
1999年7月 同社 企画室長アライアンス推進室長
2000年4月 同社 常務執行役員
2005年4月 同社 最高執行責任者
2005年6月 同社 代表取締役最高執行責任者
2013年11月 同社 代表取締役副会長
2015年6月 株式会社産業革新機構 代表取締役会長/CEO
2018年9月 日産自動車株式会社 取締役
2019年6月 株式会社INCJ 代表取締役会長/CEO

日産自動車入社以来海外部門を歩み、ルノーとの提携を担当し、代表取締役最高執行責任者や副会長を歴任。現在、産業革新機構から新設分割したINCJにて代表取締役会長を務める。INCJでは、新しい技術、ビジネスモデルを提案するベンチャー企業を積極的に支援。グローバルに活躍する事業に育成することも重要と考え、オープンイノベーションを通じて、産業競争力強化へ貢献している。

引用:株式会社INCJ https://www.incj.co.jp/about/message/

 

日本人にありがちな忖度提案は徹底的に排除する雰囲気へ

 

Global Venture Forum 2019 in Gold Coast
「日本企業が世界で活躍していくために必要な産業革新とは?~事業投資・技術・人財・ベンチャー育成~」
写真左:株式会社ネオキャリア 代表取締役 西澤亮一氏
写真右:株式会社INCJ 代表取締役会長/CEO 志賀俊之氏

日産でダイバーシティ経営が始まった際、志賀さんが痛烈に感じたのが日本の社員の忖度(そんたく)提案の多さ。というか、それが普通、それ以外の頭(意識)がない、ということに気付かされたとおっしゃいます。忖度(そんたく)=上が求めていることを探り、それ通りの提案をするということです。
これでは、当然ですが、会社は変わらないし、成長はない。
上の忖度を探るのではなく、その立場でできる発想を提案していく、という発想事態がない日本人が多すぎるのではないかと、おっしゃいます。
これは、上も含めてやめていくべき悪しき習慣です。

会議で発言せずに、会議の後にゴニョゴニョ言う文化は見直すべき

これもほんとに日本人特有だそうです。
ダイバーシティになると、会議での使用言語は英語にせざるを得ない。
英語での会議→さらに日本人が発言しなくなる→会議が終わった瞬間に会議参加メンバーから会議に参加していた日本人マネージャーに、会議で決まったことに対しての議論や撤回の話が始まる。日本語の会議でも大いにありますよね、実際、私も毎日のように体感しています、笑
・意見を出しやすい雰囲気、日頃からのコミュニケーション・継続的な発言への教育
・他言語での会議の必要がある場合は、やはり他言語教育が必要と、お話を聞いて強く思いました。

社長の顔を見て仕事をする社員が出たら危険信号、裸の王様は側近が気づかせるべき

裸の王様にしないために、側近が気づかせるべき、取締役会でもいい。社長の顔を見て仕事をすべきではない同じ組織のリーダー歴が長ければ長いほど、陥りやすい。一般社員は大衆の方なので、「リーダーの顔ばかりみて仕事をする」になりがち。
だから、リーダーの方がそれを気づかせる役割を担うべき、とおっしゃってました。

日本人は勤勉さ、何かを追求する姿勢、みんなで何かをしよう!という団結力はすごい。それを排他する必要はない

これも日産のダイバーシティ経営を後から振り返った際、志賀さんの一つの反省点だとおっしゃいます。
「ダイバーシティ経営=海外のやり方の方がいい、評価制度含めてすべて海外に習うべき」となんとなく全体が勘違いしてしまった時期があったとおっしゃいます。そのときには、それまで社員自ら行っていた「ラインの生産性向上や改善」等が、されなくなったりといろいろと負が出たそうです。

勤勉さ、何かを追求する姿勢、みんなで何かをしよう!という団結力は日本の国民性の強み。この強みを理解し、価値として、その上で海外の必要要素を取り入れるべきは、取り入れて変化させていく。
これが重要だとおっしゃいます。

リーダーとして必要なのは、「決める」、「ぶれない」、「逃げない」覚悟

志賀さんが考える、リーダーの役割とは、
物事を決断する、決める決めた後は、ぶれない(→ 同じことで相談等されたときに決断が変わらないようにする、だからこそ、決断の段階には、フットワーク軽くも多面から検討した決断である必要がある)

そして、それが何かあったとき(例えば、失敗など)に責任をとる、逃げない覚悟が必要だということ。

The power comes from inside.すべては一人ひとりの意欲から始まる

日産役員箱根合宿でゴーン氏が、V字回復させたことを振り返って最後にこう発言したそうです。
「だけど、日産を復活させたのは、従業員の一人ひとりのモチベーションだったよね」
これがとっても印象的で、役員のすべてにささり、会社スローガンにしようということになったそうです。
一人のリーダーが変えたのではなく、リーダーは、方向性を示しただけ。あとは中から解決していった。ただ、リーダーは意欲を引き出す力が必要。この力をゴーン氏はとても持っていらっしゃるそうです。
例えば、志賀さんが何か決断するときに悩み、ゴーン氏の部屋で相談する。相談すると、話は聞いてくれるけど指示はされないのだそうです。「志賀さんがそう思うなら、そうしたらいいよ」と。
ですが、ゴーン氏の部屋を出るときには、「よし、これでいける、これでいこう」と、ものすごく元気になているのだそうです。

言葉の力は偉大、大事なことはできるだけローカライズすべき

もうひとつの気付きは、今自分がベトナム人やフィリピン人と仕事していても、強く感じているのは、言葉の大切さです。
言葉一つで人は、簡単にプラスにも動くし、マイナスにもなる。だからこそ、共通言語は必要だけれど、その人にとっては外国語の場合、伝わらない、ささらない問題は本当にあると実感しています。
この日産のスローガンを聞いた際、やはり、「The power comes from inside.」 だけだと、私にずっしりくるものは、なかったです。ですが、「すべては一人ひとりの意欲から始まる」と言われるとやはり、ずっしり来ますし、細部まで理解した気持ちになります。これは、私の英語力だけの問題ではなく、やはり、外国語を自分なりに解釈するには限界があり、そして響くものが少ないということなんだと思います。

まとめ

志賀 俊之さんのお話を直接拝聴し、すっかりファンになってしまいました。醸し出されている空気もすべて、震えました、笑
最近感じていた、言葉の大事さを具体例をもって、あっさり言語化してくださったこと、「決める」、「ぶれない」、「逃げない」覚悟。これは、今後の私の指針になっていくと思います。

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インファクト編集部

中堅・中小企業売上UP研究所by株式会社インファクト【INFACT】です。WEB&ソーシャルメディアマーケティングを得意とし販売促進支援企業として販促コンサルティングからWEB制作・カタログ・パンフレット制作まで企業の売上アップをサポートします。http://www.infact1.co.jp/
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