外国人採用を検討する中小企業は、まず外国人留学生インターンを採用すべき!

こんにちは、中小企業 課題解決アドバイザーの岡田ゆうかです。
私は日々お客様のところに伺い経営課題をお聞きしているのですが、最近ご相談が急増しているのが人材採用です。飲食店やコンビニでアルバイトが集まらず店舗運営に支障が出ているという報道はよく目にしますが、私がお聞きしているのはさらに深刻ともいえる事態。CADオペレーター、ITエンジニアなど高度なスキルを持つ専門人材や、人事・総務・営業などのホワイトカラー職種についても欲しい人材が採れなくなっているといったお困りの声が多く寄せられています。
日本の労働人口も減少局面にあり、取り分け中堅中小企業の採用は今後も困難が予想されます。そんな中今注目されているのが外国人の採用です。政府も一丸となって外国人雇用を後押ししていますし、外国人を戦力として迎えたいと考える中堅・中小企業も増えています。たとえ今は外国人採用を考えていなくても、経営層や人事担当者にとっては知らないではすまされないトピックといえるでしょう。
さて、ひと口に外国人採用といってもいろいろなパターンがありますが、今回は「外国人留学生」に焦点を当てます。外国人留学生というと飲食店やコンビニのアルバイトのイメージを持つ方も多いでしょうが、私はそれだけではもったいないと考えています。短期的な人手不足解消のためではなく、中長期的な採用戦略として外国人留学生をアルバイトインターンでお試し、受け入れ体験、準備→外国人高度人財採用という流れをつくっていくことが、企業の成長につながっていくはずです。

日本にいる外国人留学生は約30万人

2019年1月に独立行政法人日本学生支援機構が日本の大学や日本語学校などに在籍する「外国人留学生数」の調査結果を発表しました。これによると、2018年5月1日時点での外国人留学生数は前年比12%増の約30万人(29万8980人)で、過去最多を更新。6年連続で増加しているそうです。

留学生数の推移(各年5月1日現在) 独立行政法人日本学生支援機構「平成30年度外国人留学生在籍状況調査結果」より

同調査で外国人留学生の出身国を見てみると、
1位.「中国」(11万4950人)
2位.「ベトナム」(7万2354人)
3位.「ネパール」(2万4331人)
4位.「韓国」(1万7012人)、
5位.「台湾」(9524人)

が続きました。
地域別にはアジアが93.4%を占め、欧州は3.4%、北米が1.1%となっています。

知っておきたい外国人留学生雇用のキホン

いろいろな手続や、決まりがありますので、そのあたりをおさえましょう!

「資格外活動許可」の取得

外国人留学生がアルバイトをするためには地方入国管理局で「資格外活動許可」を取る必要があります。この許可がないとアルバイトはできません。許可が下りるまで2週間から2カ月ほどかかるので、採用時にはしっかり確認しましょう。

外国人留学生の労働可能時間は、1週間で28時間まで。長期休業期間中は1日8時間まで

「資格外活動許可」があっても、留学生は働ける時間に制限があります。学校があるときは1週間で28時間まで、夏休み・冬休みなど学校が定める長期休業期間中は1日8時間までと出入国管理法(入管法)で定められています。アルバイト先が複数ある場合はすべて合算です。これを超えて働くと、学生本人は退去強制、雇用した事業者側も不法就労助長罪に問われることがあります。

現在外国人留学生が働く場としては、飲食店やコンビニが主流となっています。これは、留学生にとっては生活費を稼ぐため。就労経験を積みたいからでも、スキルアップのためでもありません。一方の雇用側もアルバイトとして決められた時間、決められた作業をしてくれればよく、その意味ではお互いのニーズは一致しているといえます。

外国人留学生は有給「インターン」がオススメです

外国人留学生、私は自社の採用面接で多く接しています。そこで常々感じているのは、「彼らをアルバイトとして働いてもらうだけではもったいない」ということでした。日本に留学する外国人の多くは母国で大学を卒業しており、就業経験がある人も多いです。専門知識やスキルを持った状態で日本に来ているのです。また、彼らは留学先で日本を選ぶくらいですから日本に好意や興味を持っており、日本企業で働きたいと考えている人も少なからずいます。

そこで人材獲得に課題を感じる企業様にご提案したいのが、「ホワイトカラー職種について外国人留学生をインターンとしてお試し雇用しましょう」ということです。これは、留学生にとっては日本でホワイトカラーとして働くという経験が積めますし、企業にとってもお試しで雇用ができますから、労使のメリットが一致するわけです。

外国人留学生を学生アルバイトという期限付きかつ労働力の調整弁としてだけで見るのではなく、いずれ正式に雇用して自社の戦力になってもらうことも視野に入れ、早期にいい人材に出会い、じっくり準備する期間と捉える「インターン」をオススメします。

インターンとして受け入れることで、企業は「外国人と同じ職場で働く」ことの練習もできます。外国人スタッフの受け入れで問題が起きるのは99%コミュニケーションが原因だと私は見ていて、しかもそれは、ほとんどが日本人側の問題です。外国人留学生に日本企業に慣れてもらうことも大切ですが、それ以上に日本人側が外国人採用に慣れて、受け入れる練習をしておく必要があります。また、学生が持つスキルやキャリアプランについても相互に理解し、すり合わせをすることで正式採用に進むかどうかの判断もできます。

もちろん、外国人を正式に雇用する場合には法的な手続きも必要となります。しかしまずは、会社と一緒に成長できる人材かどうか、本人のキャリア観とマッチし双方がハッピーな関係を築けるかどうかをじっくり見極めることが重要だと私は考えます。
外国人の採用についてご興味のある企業様、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

まとめ

中長期的な採用戦略として、大学卒外国人留学生をアルバイトインターンでお試し、受け入れ体験、準備→外国人高度人材採用という流れをつくっていくことが将来的な企業成長につながります。インターンとして受け入れた学生が正式採用に至るかどうかはさておき、外国人高度人材を受け入れる体験そのものに価値があるのです。国際高度人材採用は、人手不足解消の課題策となるだけでなく、中堅・中小企業のグローバル化など成長戦略の1つの要素にもできます。

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インファクト編集部

中堅・中小企業売上UP研究所by株式会社インファクト【INFACT】です。WEB&ソーシャルメディアマーケティングを得意とし販売促進支援企業として販促コンサルティングからWEB制作・カタログ・パンフレット制作まで企業の売上アップをサポートします。http://www.infact1.co.jp/
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