GoogleのAIは画像も動画も理解している?|Google検索2017のトレンド

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今回もGoogle検索のお話です。
何か具体的な対策が・・・といった話ではなく、Google検索がAI(人工知能)でどう変わっていくのか?それとも変わらないのか?というテーマです。
まぁ、結論から言えば、SEO(サーチエンジン最適化)の考え方は変わらないと思います。基本に忠実、ユーザーの役にたつコンテンツを提供していくことが大切・・・ただ、これまで以上に、ユーザー目線が大切になりそうだ・・・そんなお話になります。

GoogleのAIは画像も動画も理解している?|Google検索2017のトレンド

目次

  • Google検索はAIも活用している
  • ディープラーニング(深層学習)をGoogleが研究する理由を考える
  • ネコを認識するAI|画像の理解
  • 動画内の情報をリアルタイムに解析
  • まとめ|これからSEOはどう考えるべきか?

Google検索はAIも活用している

前回、ペンギンアップデートを例に、Google検索のアルゴリズムについて少し解説しました。
→ ペンギンアップデートって何?|今更聞けないSEO・Google検索編

Googleが検索順位を決定する際に、さまざまなアルゴリズムを用いています。
実は、そこにすでに、AI(人工知能)が使われています。
正確な時期は不明ですが、2015年の中頃に、Googleはランクブレイン(RankBrain)というアルゴリズムを導入したとされます。

これは、AI(人工知能)をベースにしたアルゴリズムで、言語やクエリ(検索キーワードのこと)を理解する能力に秀でているとされます。
また、人間のように自己学習を重ねることで、どんどん進化できるのだそうです。

ランクブレインは、我々人間が何かを検索した際に、その検索した意図を推測し、的確な答えを出そうと動くそうです。
人間同士であれば、大胆に言葉を省略しても、お互いに理解できる場合があります。
極端な話、付き合いの長い夫婦の間では、「あれ」の一言で、それが「それそれ鉄腕ダッシュの時間だからチャンネルを変えよう」であるとか、「今朝まだゴミ捨ててないから、出勤の時にお願いね」といった裏側の意図を理解できます。

さすがにここまでは難しいでしょうが、AIが進化すると、「終電」と入力するだけで、現在飲み会やっていて終電の時間が知りたいのか、今度の出張が宿泊する必要があるか日帰りが可能か調べているのか、そういったことを理解した上で、答えを返すようになるかもしれません。

「文脈を読む」「行間を読む」といった人間ならではの能力を、将来的には検索ツールも獲得してくると思われます。

ディープラーニング(深層学習)をGoogleが研究する理由を考える

2015年10月にGoogleが開発した囲碁プログラム・AlphaGo(アルファ碁)が、人間のプロ棋士に初めて勝利。翌年2016年3月には、韓国のトッププロとの五番勝負で4勝1敗と圧勝したことも世界に衝撃を与えました。

このAlphaGoは、ディープラーニング(深層学習)という技術を使っていることで話題になりました。実はGoogleは、数年前から本格的に、このディープラーニング(深層学習)を研究しています。

その意図するところは、やはりGoogle検索の性能を向上させることにある考えられます。

現在のGoogleは、検索したユーザーの役に立つホームページを、いかにして検索上位に持ってくるか?を追求しています。
そして、ユーザーにとって価値のないのホームページは、できる限り検索結果から排除したい、と動いています。
例えば、2016年末に発生したWELQのような、

  • 内容に信憑性がないページ
  • 他のホームページの内容を無断で借用してリライトしたページ

はできるかぎり排除したいのです。

しかし、人間が見れば、直感的に怪しいと判断できるものも、プログラムだけ判断するのは難しいでしょう。
(実際、2016年の年末に問題となったWELQ。信憑性が怪しい記事や、他所のサイトのコピー記事もあった訳ですが、それらも含めてGoogleのプログラムは、その記事を検索上位に表示させていた訳です。Google的には、かなりショックな出来事だったのではないでしょうか)

とはいえ、人間が世の中の全てのホームページをチェックするのは不可能です。
となると、「人間であれば判断できるもの」をプログラムで置き換えようとすれば、やはりAI(人工知能)を使うしかないでしょう。

この辺にGoogleが囲碁ソフトを研究していた背景がありそうです。

ネコを認識するAI|画像の理解

さて、AlphaGoがトップレベルの囲碁棋士に勝ったその4年ほど前。GoogleのAI(人工知能)の研究で、ちょっとしたニュースがありました。

それが、Googleの研究で、コンピューターが猫を認識する能力を自ら身につけた、というものです。
一週間にわたりYouTubeビデオを見せた結果、コンピューターは猫の写真を見分けることができるようになった、というのです。
しかも、人間側で、「これが猫です」といった定義を一切教えていなかったことから、コンピューターが自ら「猫」を見分ける方法を編み出したと考えられます。

このニュースの際には、AI(人工知能)という言葉は使われていませんでしたが、今思えば、これがまさに、AlphaGoとディープラーニング(深層学習)につながっていたと考えられます。

この技術が現在のGoogle検索に導入されているかは不明ですが、その気になれば、Googleのプログラムは画像の内容を認識することができるレベルにあると思われます。

動画内の情報をリアルタイムに解析

そして、つい先月(2017年3月)、さらに驚くべきニュースがありました。

Googleが「Google Video Intelligence API」というAPIを公開した、というものです。
APIとは、一言で説明するのは難しいのですが、ソフトウェアの一部を外部に公開し、外部の方も使えるようにする仕組みです。

つまり、知識と環境があれば、誰でも「Google Video Intelligence API」というソフトウェアを活用することができるという訳です。
しかも、今回、Googleはこれを無料で公開しています。

では、この「Google Video Intelligence API」で何ができるのか?
実は、このAPIは、

  • 動画の中身の情報を自動で解析し、
  • 動画に写っているシーンや人・物・アクションにタグ付け&テキスト化する

ことができるだそうです。
しかも、シーンの切り替わりのタイミングなども確認できる優れものです。

例えば、セミナー動画にこのAPIを使えば、

  • 話の切り替わりを自動でチャプター化
  • レジュメの内容をテキスト化

といったソフトウェアを開発することもできるかもしれません。

今のところ、このAPIの精度はわかりません。
しかし、Googleが無料で公開した目的は、多くのユーザーに使ってもらうことで経験値を貯めることにあるでしょう。
実践を重ねることで、その能力をどんどん進化させる狙いがあると思われます。

いずれせよ、Googleは動画の内容まで解析できる能力を持っているのです。
ここにもAI(人工知能)のノウハウが生かされていると考えられます。

まとめ|これからSEOはどう考えるべきか?

ここまでざっと追ってきましたが、これまでGoogleはテキスト情報を中心にホームページを分析していたと思われます。
しかし、今後は、動画や画像そのものをAI(人工知能)で解析し、判断基準にしていくでしょう。
そして、何よりも、AI(人工知能)の導入で、その検索システムは大きく変わるかもしれません。

AI(人工知能)が人間と同じような感覚でホームページの良し悪しを判断する。
いや、人間にはわからない判断基準で、ユーザーにとって役にたつホームページを判断する。

そんな時代がすぐそこに来ているのかもしれません。
ただ、Googleが目指しているのは、ユーザーにとって役に立つホームページを上位表示させることです。
ですから、私たちがホームページやブログでやることに、大きな変化はありません。

ユーザーにとって本当に役に立つ情報を、ユーザーが使いやすい形でお届けする。
それを徹底できれば、大手サイトや有名サイトといった先入観を持たないAI(人工知能)が、正当に評価してくれる。
そんなGoogle検索になると良いですね。

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